2000年代には、路線の輸送体系を変える出来事が多く発生した。2002年の埼玉スタジアム2OO2のオープンは、帝北にスタジアムへの観客輸送鉄道としての新たな意味を与え、試合開催時の臨時列車をあらかじめ通常ダイヤに組み込んでおく(いわゆる「予定臨」)方式をとり始めるきっかけとなった。また2005年の複々線全通時には抜本的なダイヤ改正が行われ、朝ラッシュ時における大幅なスピードアップ、本数増加を実現した。その翌年2006年の埼玉高速鉄道線開通では乗客の流れが大きく変わり、急行・区間急行の鳩ヶ谷駅停車が開始されたほか、周辺のバス網も同時に再編された。2013年の東京メトロ湾岸線品川延伸+東急線との直通開始時には2005年以来の大きなダイヤ改正が行われ、3社間の直通列車が多数みられるようになったほか、東急の車両が帝北線内を走行する姿が日常的な風景となった。

 

 

 また、時に会社間の垣根を超えるような様々な新サービスも開始されている。2000年には共通乗車カード「パスネット」の導入、2007年にはICカート乗車券「PASMO」の利用も開始された。また、2006年には地下鉄湾岸線経由と上野乗換どちらのルートも使える「どっちでもて~き」が発売され、2008年からは埼玉高速鉄道と協力の元、「SRどっちでもて~き」の発売が開始された。これは、都心⇔鳩ヶ谷駅以北の定期券において、東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道経由のルートと東京メトロ湾岸線・帝北電鉄経由ルートのどちらでも利用可能とする定期券である。少々割高にはなるが、この定期券は大変好評だった。

 

 

 最近では新たな切り口での輸送サービス向上も行われつつある。2012年には運賃+500円で乗車できる「しもうさライナー」「アイリスライナー」の運行を夕方ラッシュ時に開始、2013年には土休日にも、2015年には朝ラッシュ時にも運行が開始された。2018年には2wayシートを導入した東急の6020系を使用し、3社間の有料ライナー列車「湾岸ライナー」の運行が開始された。地下鉄湾岸線内でも初めて通過運転を行い、平日には都心への通勤、土休日にはお台場・横浜方面への観光需要のみならず銀座・自由が丘・二子玉川へのお出かけ需要もキャッチしている。